『 ノースロー調整 』という言葉をよく耳にします。
ノースローの「 スロー 」は、「 スローイング 」のことです。すなわちボールを投げないということですので、主にピッチャーの調整法のことですね。
投げない日を作ることで筋肉の疲労を取り、どうやって試合までにベストコンディションを作り上げていくか。
ピッチャーの投球や故障( ケガ )に対してどういった効果があるのかを深掘りしていきます。
目次
ノースロー調整の効果
ピッチャーが全力投球する際にかかる肩・肘への負担は相当なものです。関節を捻り瞬間的に筋肉を伸ばすという特殊な動作を何十球、何百球と繰り返すわけですから・・・
腕の毛細血管はブチブチに切れて、関節に炎症を起こした状態 になります。
また、球速が上がるほど強い力を必要としますので、身体にかかる負担は大きくなります。160km/hを超えるような速球派のピッチャーが肘関節を壊して、トミージョン手術をするのをよく聞きます。
ピッチャーは投げた後、いかにケアするかが重要になってきます。
そこで調整方法の1つであるノースロー調整は、ピッチャーにどんなメリットがあるのでしょうか。
投球への影響
よく肩が軽いとか重いといった表現をしますが、しばらく投げていないと肩が軽く感じられ、腕がよく振れる感じがします。春先に球が走るピッチャーが多いのも頷けます。
ノースロー調整は、それに近い状態に持っていくのが目的です。体のどこにも違和感がなく肩も軽ければ思いっきり投げれますよね。
ただピッチャーによっては、『 肩が軽すぎてリリースポイントが定まらない。』といった声もあります。自分で調子がいいと思って、力でいってしまうのが力みの原因になることが多いのですが。
個人個人で調整法は違いますから、疲労を残さない程度のピッチング練習を入れるのは感覚を維持しておく意味で良いと思います。
ノースローでも試合前にはウォーミングアップでピッチングをしますから、少しくらい間隔が開いていてもスグにカンは戻るはずです。
いずれにしても自分に合った調整ができればベストです。くれぐれも納得いくまでは!と投げすぎには注意です。確実に後に残ってっしまいますから。。
故障( ケガ )への影響
ここがノースロー調整で1番のポイントになると思いますが、投球後の筋肉痛が残った状態( 特に三角筋の外側と肘の内側が多いのではないでしょうか?)で無理をして投げることが故障の原因になります。
いち早く疲労回復に努めて違和感のない状態に持っていかなければなりません。なので、
『 筋肉痛のあるときは投げない。』方がよいでしょう。
これには個々の筋力の強さや回復度合い、年齢的な差がありますので状態を見て「 軽い遠投だけにしておこう!」とか自分の体と相談しながらやっていけば良いと思います。
晩年にさしかかった中日・松阪投手は、ノースロー調整を取り入れているみたいですね。
ノースロー時の調整方法
ノースローのときでも、何もしないでいると蓄積した疲労は中々回復しませんので、ランニング や ストレッチ で体をほぐすのは勿論のこと、マッサージ や 電気治療 などの養生を率先してやっていきましょう。
血行をよくしていくことで筋肉に溜まった乳酸を排除して、筋肉を再生する能力を促進してくれます。
あと Jバンドを使ったチューブトレーニングで肩・肘関節の可動域をほぐしていく のも回復に役立ちます。
やり方は↓↓↓の動画を参考にしてみて下さい。
このJバンドいいですね!手首にはめることで肩を自由に回せるのがとても効果的です。
鍛えるというより『 可動範囲を広めて関節をほぐす 』のが目的ですので、1番軽いチューブで行いましょう。
あと 縄跳び も効果的です。縄を回す動作が 肩のインナーマッスルである小円筋を刺激 して、ケガ防止になりますよー。
ノースロー調整の効果 まとめ
ノースロー調整によるピッチャーへの影響を書いてきましたが、個人的には 肩・肘の負担軽減に非常に役立つ調整法 だと感じます。
ただ前述した通り、調整法というのは個々で合う・合わないがありますから、、、
自分に合った調整法を確立する( 知る )ことが大事になってきます。
野球選手は身体が資本ですので、商売道具である腕を痛めて投げれなくなったのでは元も子もありません。
その中でノースロー調整を取り入れていくことは、疲労回復のみならず選手寿命にも関わってくる問題だと痛感しています。
ぜひ、自分の状態を見て取り入れてみてはいかがでしょうか。
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