『 なぜ、ユダヤ人には頭脳明晰な人たちが多いのか?』
『 その秘訣は何だろうか?』
世界のユダヤ人口の比率は約0.2%、そのうちノーベル賞受賞者の20%はユダヤ人。そして今や世界の富の35%はユダヤ資本です。この謎を解くために知っておきたい事実があります。
それはユダヤ民族を語る場合、まず世界歴史の理由を知らなければなりません。
なぜユダヤなのか・・・
目次
ユダヤ民族の歴史
1900年前、ユダヤ民族はパレスチナの地で国家を形成していましたが、ローマによって滅ぼされ、生き残った10万人ほどが世界中に離散します。国を持たない移民族として…
人権思想などない時代に移民族が来たらどうなりますか?
差別、迫害です。ユダヤ民族は想像を絶するような迫害の中で生き抜いてきました。いわゆる「 反ユダヤ主義 」といわれるキリスト教との宗教的な問題も含まれます。職業の自由などもあるはずもありません。
そんな劣悪な環境の中で移民族である自分たちが生き延びるためにはどうしたら良いのか・・・それはその国になくてはならない人材に自分を育てること。
「 ユダヤ民族がいなくなったら困るのは あなた達の方じゃないの?」というくらいに有望な人材になることでした。
そのような歴史的背景の中で1つ紛れもない事実が浮かび上がってきます。
世界の覇権国とユダヤ民族の移動
覇権国とは、圧倒的な政治力、経済力、軍事力を有して その時代のリーダーシップを取る一国のことですが、永遠に覇権を取り続ける国はありません。過去500年を遡って見ると
スペイン→ポルトガル→オランダ→イギリス→そして現在のアメリカに推移しています。
ある国は突然国力をつけ、ある国は突然凋落を始める。国の大小や資源のあるなしに関係なく。
この栄枯盛衰はどういう理由で起こるのか?覇権国の推移とある1つの要因が重なっているのです。その要因とは・・・
ユダヤ民族の移動です。
スペイン、ポルトガルの没落
まずスペインです。当時アルフォンソ10世という王様がいました。この王は数学や自然科学である天文学が好きでした。なので航海術が得意でした。そこでこのジャンルに秀でた有能な人材ならばスポンサーになるから何人でも研究させる、民族も問わないと豪語しました。
ということでスペインにユダヤ人が集まって来たんです。そこからですスペインの繁栄が始まったのは。ユダヤ人の優遇です。
やがて王様より宗教の力が強くなってきました。ローマカトリックキリスト教です。スペインのユダヤ人迫害の始まりです。キリスト教に改宗するか国外追放されるかの選択を迫られ、たとえ改宗しても異端審問( 正統信仰に反する疑いを受けた者を裁判する )しました。俗に言う魔女狩りです。
こんな暴力的な酷い迫害を受けてユダヤ民族は隣りのポルトガルに逃げます。するとどうでしょう…ポルトガルの国力がどんどん上がり覇権が移ります。大航海時代の幕開けです。
ポルトガルは衰退するスペインを見てイベリア半島の統一を試みます。政略結婚を申し込むのですがスペインから1つ条件を出されるんですね。それがポルトガルでもユダヤ民族の迫害、追放をしろ!という条件です。結局、ポルトガルはイベリア半島を取り、またもやユダヤ人への弾圧が始まります。
銀行、金融のシステムや造船、航海術とあらゆる分野で優秀な人材が集まって国が繁栄しているのに勿体ないですね、やはり信仰の力って怖いです。
これによって一朝一夕では築けない基盤を失ったために経済の循環が回らなくなり、見る見るうちに没落していきます。
結局、ユダヤ人は生き延びていくために当時スペインの植民地であり独立戦争を始めたオランダに新天地を求め逃避していきます。スペイン語が通用する国だったのも大きかったのでしょう。
オランダからイギリスそしてアメリカへ
世界最高の造船技術と航海術、自由経済を得たオランダは、瞬く間に繁栄し覇権国の地位を確立していきます。オランダのある位置的な部分も自由貿易をするのに最適でした。
しかし覇権は続きません。原因はまたもやユダヤ人の人材流出です。
この間、スペインとの独立戦争が80年も続いています。それはオランダの武器商人が自由貿易をいいことに敵国スペインに武器や弾薬を売っていたからです。??ですよね・・・しかも戦闘は当時羊毛の輸入先であるイギリスに代わりにやらせていました。イギリスもオランダに横を向かれたら羊毛を輸出できなくなるからやっていたんでしょうね。
愛国心のかけらもありません。訳わかりませんね。
そして1642年イギリスでピューリタン革命が起こります。王政と議会との市民革命です。共和国となった議会の指導者オリバー・クロムウェルによってユダヤ人に扉が開かれます。
「ユダヤ人はイギリスに入れない」という400年にわたって守ってきた伝統を破り優遇するんです。以後イギリスほどユダヤ人に対して寛容な国はないでしょう。何故なら経済的な面にとどまらず政治の世界にまでユダヤ人の進出を許しました。
そこで誕生したのがユダヤ人初の首相ベンジャミン・ディズレーリです。ユダヤ人ディズレーリを首相の座に置いたことによって、世界中に広まるユダヤの情報ネットワークを活かしてロシアの南下を防ぎ、スエズ運河の株買収に成功しました。
特にスエズ運河の利権を手に入れたことでアジアの植民地に一直線で行けるようになり、イギリスの植民地政策ならびに貿易は一層強固なものとなっていきました。
ここに七つの海を支配し「 太陽が沈まない国 」大英帝国の躍進が始まりました。
その後、第一次世界大戦、第二次世界大戦を経て想像を絶する迫害を受けたユダヤ人は歴史も伝統もない移民の集まりであるアメリカに新天地を求めます。この新参者の集まりである広大な大陸はユダヤ人にとって格好の活躍場所でした。
それはそうですよね、偏見や差別が薄いのですから、迫害から逃れて移住してくるユダヤ人が後を絶たなかったのです。
ここに20世紀のアメリカは『 ユダヤの頭脳 』を取り入れることとなり爆発的に快進していくんですね。新聞、雑誌、映画( ハリウッド )などのジャーナリズム、特に秀でたのが金融業です。ほとんどのアメリカの主要銀行、証券所はユダヤ資本なのですから。
見事なまで世界覇権の栄枯盛衰とユダヤ人の移動ルートが重なっているのは単なる偶然なのでしょうか? いや、ここまでの歴史的事実は認めざるを得ない現実です。
そしてこの事実は何を物語っているのでしょう?確実に言えることはユダヤ人を祝福した国は栄えるということです。
ではなぜユダヤ人には優秀な人材が多いのでしょうか?その頭脳はどのような伝統の下に作られるのでしょう?ユダヤ民族の伝統というと 1つの教典が思い浮かびます。それが…
タルムード
タルムードとは、ユダヤ5000年の知恵を集大成した聖書に次ぐ信仰の基盤である聖典です。『 タルムード 』とはヘブライ語で「 教え 」という意味です。
ユダヤ人は幼い頃からこの教典を学び議論します。ユダヤ人ほど教育や知恵を重視する民族はありません。それは前述したように迫害の中で生き抜いていかなければならない環境の中で奪われることのない頭脳、知識に投資することが培われていきました。
それはそうです、移民である異国ではお金や土地といった物質的な財産は、いつ没収されるかわかりません。タルムードの格言の中にこのようなものがあります。
耳と耳の間( 脳 )には 最大の資産がある。
本のない家は 魂を欠いた体のようだ。
人が生きている限り 奪うことのできないものがある。それは知識だ。
その教育は独善的思想もありますが、ブロイヤーのような同じ人間を育てる教育とは別格な、自分の能力を伸ばすことを主点としている『 学ぶ 』宗教なんですね。
そして幼い頃からの『 本を読む習慣 』が大きいです、幅広い情報を入手してとことん議論することで特化した頭脳ができ上がっていく。それが徹底した才能重視に繋がっています。
ユダヤ人が活躍している分野は金融業、医学、経済学、芸術などことごとくノウハウがものを言う業種ばかりです。大企業に入って出世するという道はないわけですから能力を身につけるしかなかったんです。
世界を圧巻させるユダヤの優秀な頭脳を作り出しているのは、教育、環境、習慣 の賜物だと言えるでしょう。
まとめ
近代、世界はグローバル化に向かっていますが、この国境の境がないボーダレスな社会は元々国に頼ることのなかったユダヤ人にとっては普通のことと感じるでしょう。それだけ国家、国境に苦しめられてきました。
自国を追われ世界に散りばめられたユダヤ人は、それぞれ定住した地での言語や生活習慣など違う文化の中でユダヤ民族がユダヤ民族たる由縁は何だったのでしょうか…
肌の色や文化が違えど共通したもの・・・それが思想です。共通したユダヤの精神と発想によって統治され受け継がれているのです。
なので食べ物や休日の過ごし方などを定めた細かい戒律を忠実に守ります。それが多民族とは違うぞ!という強烈なアイデンティティになっているんですね。
神に選ばれ契約した誇り高い民族というプライド、旧約聖書を主として「 タルムード 」の他、数々の人智に溢れた教典からの教育が優れた頭脳を作る基盤になっているのは間違いありません。
その学習は、反復と復唱の徹底した教育から始まります。暗記してしまうほど繰り返して記憶します。しかし格言の中に『 本に書かれていることを、ただ暗記するだけなら、ロバの背に本を積みあげるのと変わらない 』ということが書かれています。
そのため知識に対して、とことん考え抜き思考力と連想力を磨き議論します。そしてアウトプットして自分のオリジナルとして身につけていくんですね。
すなわち、良いお手本( サンプル )、勉学に勤しむ環境と習慣が世界を牛耳る頭脳を作り出している根底です。
このグローバルな時代で個人がのし上がっていくための勝つバイブルとして、ユダヤ人のサバイバル術は大いに参考になるでしょう。
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