コーチングとは・・・運動・勉強・技術などの指導をすること。
クライアントの成長・変化を促し、持っている最大限の力を発揮させることを目指す能力開発法、育成方法論。とありますが…
他人を指導するって、難しいことです。
なぜなら、それは本人ではないから感性や性格が違うので、その人が感じる感覚まではわからないからです。
- 他人の潜在能力を見極め、適切な指導をするためには、どういったことが必要になってくるのか。
- 良い指導者と悪い指導者の違いは?
何の分野につけ、才能を開花させる優れた指導者になるためには、どのような考え方で指導していけばよいのか?を突き詰めていきます。
目次
コーチングの技術とは
人を指導する立場になると、シャカリキになって自分の持っている知識や経験を、手取り足取り教えようとする凡人なコーチが多数います。教わる人の感覚も分からないまま…ただ自分の考えや正論を押しつけるだけの。
これでは強制的で画一的な指導方法になってしまいます。
教える人の持っている技術やスキルが、教えられる側の人にマッチするかはわかりません。
「 そうじゃない、こうした方がいい! 」と言ってもそれは教える側の勝手な解釈であって、実際にパフォーマンスするのは本人なので、その人の感性まではわかりません。
上達するうえで一番大切なのは、この感性なんですね。
その人が持っている潜在的な感性を伸ばしてあげ、パフォーマンスを達成させる能力を高めるのが目的です。
ここが知識や技能を重視した従来のトレーニング式ティーチングとの違いです。
それには、相手をよく観察する。その人の良い部分と悪い部分を把握しておかなければいけません。相手の中に自発的に学習意欲が涌くように環境を作ってあげるのが重要です。
コーチングという人材開発の在り方は、命令どうりに動ける型通りの行動を身につけるより、自ら考えていけるようにしていくことが、将来のある可能性の芽を摘むんでしまわない為にも得策だといえるでしょう。
優れた指導者になるためには
よく『 名選手、名監督にあらず 』と言われますが、これは技術指導において、その人しかわからない暗黙知( 言葉に表しずらい感覚 )を形式化するのが難しいからです。
なので何気なくできてしまう天才型の人ほど教えるのが苦手…というのは納得いきます。
自分の中で自然と備わっている力を発揮している人にとっては、それが普通のことなので「 そんなこと何でできないんだ?」となってしまうわけですね。
本人にとって簡単なことでも、まだ知らない初めて体験する人にとっては難しく感じるものです。それは長い経験と実績を積んできたからこそ、そう感じるだけなので。。
なのでコーチは、まず相手の立場になって考えてあげることが最重要です。相手の立場を理解して、どうゆう考え方で、どう感じるのか、そして何をしたいのかを考えてみることが先決です。
そこで良い指導者のサンプルとして、プロ野球界から1人の人物を挙げてみたいと思います。まさに「 名選手から名監督!」を代表するに相応しい実力と実績を兼ねた人物・・・
それが落合博満氏。
プロ野球界において前人未到の3度の3冠王を獲得。監督としても一流の指揮で結果を残した実績は誰もが認めるところです。
誰よりも自分の感覚を大切にし、俺流を貫き通した不世出の天才バッターが、コーチングにおいて、どのような考え方でチームや選手を育成してきたか参考にしていきます。
見ているだけのコーチング
まず最初に持論としてコーチングとは、経験や実績のある指導者が、いかに選手を教育するか、という一方通行的なものではないということです。
あくまでも、その選手の才能、オリジナリティーを伸ばしていくことを重視していきます。
なので断定的に「 こうしろ!」というアドバイスは混乱を招くだけなのでしない。
その選手が自発的に気づくまで忍耐です。
それまでその選手の良い部分と修正しなければいけない部分をよく観察して理解しておかなければいけません。
見ているだけが理想なのではなく、自分で答えを出すところに到達するよう、アドバイスやヒントを与えてあげるといった感じですね。
やり方や答えばかりを教えると、自分の個性を出せなくなってしまう原因にもなりかねません。視点をどこに置くかで答えは変わってきます。
絶妙なタイミングで言葉をかける
伝えるって難しいですよね…。特に感覚的なことを伝えるには、言葉のボキャブラリーが必要になってきます。
相手に「 なるほど!」と思わせるには、どのように言葉をかけていったらいいでしょうか?
まず、相手の立場を考えなければいけません。どのくらいの力量を持っているのか?「 そんなこと、わかってるよ…」と感じさせないように、プライドを尊重して話すようにしていきます。ポイントは以下の3つ。
- 否定的な言葉を使わず、良いところを褒める。
- 感覚的なことを質問する。
- 正しい方法論を示す。
例外的に、崖っぷちに立たされ、何かにすがりたいと考えている選手には、徹底的にノウハウを叩き込む。ことも必要になってきます。
更に困ったことに人間は、イメージできないと思ったものに対して、言葉で説明されればされるほど、気持ちがそこから離れていくというメカニズムを持っています。
では、どうしたら良いのか?
イメージを掻き立てるように話す( 表現する )ことがポイントになります。
「 目の前にある出来事 」が「 唯一自分自身のもの 」と感じられたとき、このイメージは広がっていきます。
自分が信頼されている、期待されているといった指導者からの言葉は、何にでも変えられない起爆剤になることは間違いありません。
まとめ
コーチングの指導というのは、その選手が最高のパフォーマンスに導かせるための補助的な役割なんですね。
花を咲かせるのは、その選手本人。そのために良い土を用意して、水や日光など環境を生み出す技術といえるでしょう。その人が潜在的に持っている能力を引き出すことが最大のポイントです。
クライアントが自分で考えて、試みていくプロセスが成長につながっていくことを考えれば、問題解決をしてあげて失敗しないように手助けすることではないことに気づきます。
決してコーチが結果に対してジャッジメントすることではありませんね。
最後に元帥海軍大将、山本五十六の人材育成の名言を載せておきます。
やってみせ、言って聞かせてみて、誉めてやらねば人は動かず。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば人は育たず。
やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
人を指導するためのエッセンスが詰まった言葉です…。
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