仕事やプライベートで、ちょっとした困難が起こると、自分に自信が持てずに不安になってしまう… もっとメンタルを強くしなければ、と思ったことはありませんか?
特に仕事では、自分の許容量を超えたストレスやプレシャーがかかる状況ってあるのではないでしょうか?
「 緊張する !」
「 失敗できない…」
「 過酷でもやるしかない。。」
そのような状況の中で押しつぶされてしまうのか、そんな状況をものともせず乗り越え、結果を出していけるかは、心の強さによって左右されると言っても過言ではありません。
どんな状況に立たされても、何を言われても、ビクともしない強靭なメンタルを養うためには…
つまり、自分の心をいかにコントロールできるかどうかが重要なポイントになってきます。
このメンタルの強さというのは、どのように強くしていったらいいのでしょうか?
最初から先天的に強いメンタルを持ち合わせている人も稀にいるでしょうが、どんな人でも ちょっとした意識や行動を変えていけば強化できるものなのです。
そんなメンタルを強くするための方法を紹介していきたいと思います。
目次
ストレスに負けないメンタルタフネスとは
人間は誰でも、ある弱点を持っています。 その弱点とは・・・
『 変化に弱い 』という性質です。
急激な環境の変化や刺激を嫌います。
そのような刺激を受けると人間は、無意識が自然に今までの心地よい状態や習慣( コンフォートゾーン )に戻そうと働くんですね。
でも自分でコントロールできない状態が続くとストレスとなって心や身体に何らかの反応を起こさせます。
ここで言うストレスというのは、トラブル、不安、悩み事やプレシャーなど自分の身にふりかかってくる急激な変化を伴う刺激を受けて、生体に生じる反応のことをいいます。
強いストレスの蓄積は、自律神経や循環器系にも支障をきたして、鬱状態をも引き起こしてしまいます。また極度のストレスによって、その体験がトラウマとなり強い恐怖を感じてしまうPTSD( 心的外傷後ストレス障害 )を引き起こす可能性もあります。
なので、こういったストレスをそのままにしておくのは、とても危険です。が、通常生活していく上でストレスが全くないことなんてありませんよね。
ならば…降りかかってくるストレスと真っ向から向き合って、どんなストレスを抱えても跳ねのけてしまう耐性を身につけるしかありません。
苦しいこと、嫌なことにも根気よく頑張れる、自分の感情をコントロールしてモチベーションを意図的に高めていくことができる強い心。
それがメンタルタフネスです。
そんなメンタルタフネスになるためには、3つのことが重要になってきます。
- 自分の抱えているストレスを把握する。
- メンタルを強くする方法を知る。
- それを実践していく。
まず、ストレスを感じると人間の脳はどのような状態になるのでしょうか?
脳とストレス反応
人間はストレスを感じると、脳の視床下部が反応して下垂体と副腎から、コルチゾールというストレスホルモンを分泌します。
このホルモンが分泌されると、交感神経が活発に働きはじめて、心拍数の増加、血圧の上昇など、臨戦態勢を整え身を守ろうとするんですね。
そう、原始的に人間の生体に備わった必須なホルモンなんです。
でも交感神経が活発になり、ずっと緊張状態が続くと体によくありませんよね。なのでストレスを感じてストレスホルモンが発生すると、体を守るホルモンも一緒に分泌されるようにできています。
それがDHEAという抗ストレスホルモンです。
DHEAは、主に副腎で分泌され、体内で男性ホルモンや女性ホルモンを作る材料になる、別名 若返りホルモンとか 長寿ホルモンと呼ばれています。
このホルモンの効用は、糖尿病や動脈硬化、アルツハイマーなどさまざまな疾患の予防に貢献しているのですが、中でもストレスを緩和し、意欲を高める働きがあるのです。
なので、「 緊張して頭が真っ白になってしまう 」「 やる気を失って焦燥してしまう 」など
メンタルが弱いという人は、脳科学的に見ればコルチゾールの分泌量に対してDHEAの分泌が少ない、すなわちバランスが悪いと言えるでしょう。
逆に「 ストレスが適度な緊張感に変わり、やる気の源になる!」というようなメンタルの強さは、DHEAの分泌量で変わってくるということです。
ならば・・・DHEAをバランスよく増やしてやればいいということですね。
でもどうしたら、そんなホルモンを増やせるでしょうか?
『 DHEA 』を増やす方法
ストレスを受けて精神が疲れている状態のときに、根性論でたたき直そうとすると墓穴を掘り更に悪化の一途を辿ってしまいます。
まず体を調整していくことが先決です。
日本人は、とかく落ち込んでいる人を励ますときに「 頑張れ!」と言いますが「 頑張れ 」は精神論です。何をどう頑張ればいいのかわかりません。
アメリカでは、落ち込んでうつむいている人には「 フェイス・アップ!( 顔をあげろ )」です。
肉体に対してアドバイスしていくのが、一流のストレスへの対応策です。
なので、まず生活習慣で良いことをしていくのが、DHEAを分泌するポイントです。
基本は、食事・睡眠・運動です。
DHEAに必要な栄養素・食品
DHEAとコルチゾールは、主に副腎から分泌されます。コルチゾールが分泌され過ぎると副腎が疲労してDHEAが分泌されにくくなってしまいます。
副腎の疲労を防ぐために必要な栄養素は、ビタミンC、E ならびに亜鉛などの抗酸化物質が有効です。
特に副腎は、ビタミンCを多く消費しますので摂取が重要です。
そして、DHEAを増やす働きがある食品の中では、山芋がよいといわれています。中でも山に自生する「 自然薯(じねんしょ) 」が抜群です。
副腎に必要とされる栄養をふんだんに摂取して、まずは体を整えていきましょう!
運動習慣をつける
DHEAホルモンは、自分で増やしていくことができます。
そのカギとなるのが・・・運動です。
ここで同志社大学アンチエイジングリサーチセンターが行った実験があります。
それは、日頃運動習慣がない平均年齢40歳の人達に、2ヶ月にわたって、筋トレかウォーキングのいずれかをしてもらい、血液中のDHEA量を調べてみました。
その結果は・・・
- ウォーキング → 23%増加
- 筋トレ → 34%増加
どちらも効果があったのですが、特に筋トレが効果がありました。筋トレと一言で言っても 器具を使うものなど、ピンからキリまでありますよね。
その中でも、適度な運動量で簡単に無理なくできるのがスクワット運動です。
この自力本願的な運動こそが、ひとつの筋肉だけでなく足はもちろん臀部、背中、腹筋までも同時に複数の大きな筋肉を鍛えることができるエクササイズなのです。
あまり過激な運動量は、かえって逆効果になりますから、1日、20回くらいを継続してやっていきましょう!
快適な睡眠をとる
体のバランスを整える良いホルモンは、主に睡眠中に分泌されます。
なので質の良い睡眠は、リラックスをコントロールしている副交感神経を活発にさせるため、自律神経が安定して体の酸化を防ぎ、頭をリセットさせ、心身バランスを正常化していきます。
どうでしょうか? 食事(栄養 )・運動・睡眠の生活習慣三大要素ってDHEA分泌だけでなく心身の健康にとって欠かせない要素ですね。
DHEAの分泌を活性化させる、これらの根本的要素は、もちろんなんですが実はストレス耐性になるために重要なポイントが1つあります。
それが、物事の考え方、捉え方を変えていくということ。
ここからは強靭なメンタルタフネスを造っていくためのセルフコントロール術を紹介していきます。
メンタルタフネスを造るセルフコントロール術
「 ストレス耐性 」とは、ストレスにどれだけ耐えれるか、という気持ちの強さのことですが、自分に降りかかってくる苦しい状況にも耐えて、諦めずにモチベーションをあげていけるかがポイントです。
そのためには、自分にとってプラス思考になれるように自分の言動を行えることが必要になってきます。
ここで脳の考え方をパラダイムシフト( 大変革 )させてセルフコントロールしていく効率の良い方法を紹介していきます。
瞑想の効果
ストレス耐性を心身のレベルから高め、脳のコンディションを整える最強ツールが・・・
『 瞑想 』です。
瞑想は、目を閉じて気持ちを静め、ゆっくり呼吸をしながら無心を目指します。
瞑想をすると自律神経が安定し、脳波ではアルファ波が増加してきます。アルファ波の周波数は8Hz~13Hzで、7.8Hzの宇宙の周波数とほぼ共振しています。
まさに「 覚醒と睡眠の間くらいのリラックス状態 」で、この状態での人間は、潜在意識がオープンになり精神活動が活発になります。
すると、その効果が凄いんです。
あらゆる心理検査で「 抗うつ性 」「 情緒不安定性 」が改善されたと報告があります。
更に、疲れた時に筋肉の代謝で生成される乳酸の血中濃度が減少されました。疲労物質である乳酸は不安と密接に関係があるため、不安解消にも効果が期待できます。
そして、瞑想を継続していると脳の形( 容積 )が変わってくるそうなのです。不安や恐怖などのストレスを感じる扁桃体が小さくなり、扁桃体の感情にブレーキをかける前頭葉や海馬が大きくなるのです。
この状態は、脳科学的にみて紛れもなくポジティブになり、ストレスに強くなるということです。
瞑想、いいことだらけです!やらない手はありません。が、難しい点が1つあるのです…
それは雑念が浮かんでくるんです。余計なことを考えてしまい中々無心になるには大変です。
これを解消するには、意識を1つのことだけに集中させる。
その1つのこととは・・・呼吸です。
ゆっくり呼吸だけに集中させます。
過去のこと、これからの未来のこと関係ありません。
今、この瞬間に集中させることだけを考えるようにします。まさに「 今でしょ!」の感覚です。
脳波が宇宙感覚と同じになれば、まるで宇宙にまどろんで浮かんでいるかのような、ゆったり気持ちいい感覚になってきます。そうなれば潜在意識は全開の状態です!
受け入れ態勢バッチリです。ここに新たな一打を加えていくのです。
瞑想のやり方のおさらいをしておきます。
- 瞼を軽く閉じてリラックスできる楽な姿勢をとります。( あぐらでも椅子に座っても、どんな姿勢でもよいです。)
- ゆっくり呼吸をしていきます。( 鼻呼吸でかまいません。)
- 吐く息を長くして力を抜いてリラックスしていく。
- 呼吸に意識を向ける。
- 1日1回、15分程度行う。
セルフトークを行う
セルフトークとは、自分で自分に語りかける自分との対話です。
自分の中で無意識に発せられる心の声・・・1日約3万語とも言われています。
「 嫌だなぁ、やりたくない。」「 そんなのできっこない…」などネガティブな言葉が多いのではないでしょうか?
この言語をコントロールして感情や行動に良い影響を与えていき、脳内の環境を変えてしまおう!という試みです。
このようなことは、覚醒状態の時では効率が悪いんですね、なぜなら余計な考えが浮かんでくるからです。あーでもないこーでもない…マイナスな予感ばかり浮かんでくるものです。
なので、こういった自己暗示は、瞑想をして半覚醒状態のときに脳のプログラミングをするのがベストなんですね。
瞑想をして、まどろみの状態のときに、なりたい自分に相応しい言語をぶち込んでいくのです!
暗示で大切なことは、否定的な言い回しは避けて、必ず肯定的な表現にします。そして最後は断定する形で締めくくります。「 ~したい 」という願望や、「 ~するだろう 」という未来形では脳は感知できません。
例えば、「 私はストレスに強い人間だ!なぜなら、どんな試練も乗り越えられる知恵と気力があるからだ!」
「 自分は何かに守られている。ありがたい!だから自信満々だ!」
みたいな感じです。是非試してみて下さい。
- 瞑想をしてリラックスしてきたら、心の中で唱えます。
- 息を吐くときに3~5回くらい行います。
- セルフトークのようになっている自分を強く想像します。
ストレス抽出法
自分の抱えている悩みやストレスを解決に導くためには、その問題を客観的に観ることができたとき初めて向き合えるものです。
物事を客観的に眺めるには、書き出してみるのが1番です。
はっきりしない曖昧な感情を言語化することによって、現状把握を強化させることができます。そうすれば自分の抱えているストレスの傾向がわかってきますよね。
それがわかるだけでも、心がスッキリします。そして更に具体的にストレスの原因となっている出来事を抽出していき、その解決策を書き出していきます。
例えば今日、上司から「 能力がない 」などの嫌味を言われた…これについて自分の感情を書き出してみます。「 ふざけんじゃねーぞ、やってらんねぇな!」など。
その横に、このこの気持ちを奮起させる解決策を書いてみます。感情を相手に向けず自分の中で受け入れて昇華していくのです。「 今度、仕打ちをしてやる!」というのはダメですよ。逆効果です。
「 よし、ありがたい!ここが自分に足りないとこなんだ、どうやって克服していこうか。」という具合に。・・・感情が動いているときだから中々素直にはいきませんが、書き出していると冷静になって、そんな気持ちになってくるから不思議ですよ。
人間には今まで育ってきた環境などから、「 考え方の癖 」というものがあります。
自分の中の判断基準のようなものです。まぁ重きを置いている信念みたいな強固な考え方です。これをコア・ビリーフといいますが、何事か同じことが起こっても、ポジティブに受け止めることができる人とすぐネガティブ思考になってしまう人に分かれます。
これはコア・ビリーフが関係しているのです。何が何でも明るい考え方に、といってもできるわけありません。要は凝り固まった考え方だけでなく、色々な視点から物事を捉えられるようになった方が幅が広まりますよ ということです。
それには想いを書き出してみるのが効果がありますよ。
まとめ
人間の感情や行動は、現実の出来事によって直接引き起こされるのではなく、その出来事をどう受け止めたか、その個々の捉え方、考え方によって導かれるものなんですね。
自分に、自分のやることに「 価値 」を見出す。
ナチスの強制収容所アウシュビッツを生き抜いた心理学者フランクルの言葉です。
「 人の主要な関心事は快楽を探すことでも苦痛を軽減することでもなく、人生の意味を見出すことである 」と。
どんなストレスや困難にも打ち勝つことができる人って
「 意味を見出せる人 」なんですね。
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