ミゲル・カブレラ【MBL三冠王】最強のバッティング技術!

メジャーリーグで現役最強のバッターといったら・・・誰を思い浮かべますか?

超一流のパワーヒッターが揃う中で、デトロイト・タイガースのミゲル・カブレラ選手は、間違いなくトップに君臨するスラッガーでしょう! 

2021年シーズンまで現役18年間でのタイトルレコードが凄い! 首位打者4回、打点王2回、ホームラン王2回、2012年にはジョーディマジオ以来、45年ぶりとなるアメリカンリーグ三冠王を獲得。今シーズンには3000本安打・500本塁打を狙うスーパースラッガーです。

メジャーリーグの強者揃いの中での三冠王獲得は、圧巻の域に達していますね。

その堂々たる体格( 193cm・113kg 右投右打 )もさることながら、パワーとテクニックを兼ねそろえたバッティングは、打球の速さ・飛距離・広角に打ち分ける技術、どれをとっても超一流です。

メジャーの一線級のピッチャーを、ここまで打ち砕いてきたカブレラ選手の驚異的なバッティング技術を今回は、徹底解剖していきたいと思います。

カブレラ選手のバッティングフォーム

まずはカブレラ選手の芸術的なホームランシーンを見てみましょう!

後ろ右肘をフライングエルボー( 肘を上げ脇を開けた状態 )から小さなテイクバックと前足ステップ でタイミングを取って体重移動させています。そこからのスイングは、非常に軽く振っているように見えます。打つというよりは振り払っているような感じがします。

全体的にタイミングの取り方からスイング→フォロースルーまで凄く柔らかな一連の動作ですね。
重要なポイントは2つです。

タイミングを取るときの手の予備動作が柔らかい。

要はヒッチ( グリップの位置を上下に動かす。)コック( スイングの前、手首を前後にかえす。)を柔らかく上手く使っているのでスムーズにバットが出てきています。

体重移動で中心線と前肩(左肩)がブレていない。

小さなステップですが、テークバックで後ろ足(後腰)に溜めたパワーをフリーフットにさせ、前足(前腰)に移して軸にしています。踏み込みが強いです。その際、体の中心線と前肩が動いていません。

特に前肩の位置が最初から最後まで同じところにあります。ブレずに強烈な体重移動ができることで、確実なボールの見極めとパワーを伝えることができるんですね。

ここが高い打率を残せる一番の要因だと感じます。

そして、もう1つカブレラ選手のバッティングの特徴として、インコース打ちが非常に上手いことが挙げられます。

広角に打ち分けるバッティング技術

インコースぎりぎりの球を捉え、三塁線をきれず(ファールにならずに)にフェアグラウンドに持っていくテクニックです。インパクトの瞬間はこんな感じです。

体を開かずに左腕を外側に引いて(たたんで)います。このまま振りきってしまうと全部ファールになってしまいますので、右腕で押込み三塁線上に腕を上げるんですね。

アウトコースもインコースも対応できるというのは、ミートポイントが余り変わらないということです。

普通、インコースは体の手前、真ん中は平行気味、アウトコースは少し引き付け気味な斜め直線上になりますが、これがどのコースでも横一直線上で捉えられるポイントを掴んでいるんですね。日本球界では、3度の三冠王を獲得した落合博満氏がそうであったように、強靭な右足の溜めがそこまで耐えうるポイントを可能にさせています。

驚異的な打球の速さ

体の開きを極限まで抑えて、中心線をブラさず強い踏み込みによる体重移動によって、軽くバットコントロールしたスイングでも、そのパワーがボールにスムーズに伝わっていくんですね。

なのでカブレラ選手の打球の速さについては、日本人メジャーリーガーたちが口をそろえて証言しています。ダルビッシュ投手は『 打たれた打球が、どこへ行ったのかわからなかった。打球が消えたのは野球生涯初めて。』とYouTubu動画の中で語っています。

また、ブルージェイズの川崎宗則内野手は、カブレラ選手の打席ではショートかセカンドを守っていたのですが、やはり強打者ということもあってピッチャーの投げるボールに合わせてあらかじめシフトを敷いて読んで守っていたのですが・・・

『 本当にバットの出どころが最後の最後まで分からない!打ったその瞬間、イメージしていたにもかかわらず、真横を抜けていった。』と証言しています。名手が先読みしていても一歩も動けない打球ってどんだけ速いんですか!恐ろしいですね。

カブレラ・バッティングのまとめ

メジャーリーグ

ここまで不世出の天才スラッガーのバッティングについて、思い当たる部分を書いてきましたが、、

見て評論するのは簡単です。がホームベースまで0.何秒かで向かってくる威力満点のボールをコースによって打ち返すことは、もはや理論ではなく感覚の領域に頼る部分が大きいと感じます。

右脳に蓄えられたイメージ記憶を、肉体を使って再現(フラッシュバック)させるのがスポーツのパフォーマンスです。

このパフォーマンスを的確に行うためには、強靭な反応できる肉体が必要不可欠ですね。そういった意味ではカブレラ選手の世界最高峰のバッティング技術の部分部分は、高度な技術を可能にするだけの鍛錬がなされているのは間違いありません。

体の開きを極限まで耐える下半身の強さ、瞬時にバットコントロールできる反射神経は、相当な足腰のトレーニングや打ち込みによって培われたものだと痛感します。

 

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