プロ野球2020日本シリーズは、ソフトバンクホークスの圧勝で2年連続の優勝を果たしシーズンを終えました。
プロ野球選手にとって来年2月のキャンプINまではシーズンオフになるわけですが、その前に重大なことが1つありますね。そう・・・
契約更改 です。
来季またプレーができるのか?できるのなら年俸はいくらで… といった球団との契約をしなければユニホームを着ることはできません。
しかし、支配下登録選手枠が70人 と決まっている以上、ドラフト等で新たに入ってくる選手の分だけ退団を余儀なくされる選手が出てくるということです。
『 もうこれ以上期待できない、戦力にならない。』と判断されれば・・・一般の会社でいうクビにされるわけですね。
そういった対象の選手には11/2から日本シリーズ終了翌日までに
戦力外通告 が出されます。
選手にしてみれば球団から切られ、好きな仕事を奪われて職を失うのですから死活問題です。
戦力外通告を受けた選手のとる道は2つしかありません。
- 引退して他の仕事を見つける。
- 他球団からのオファーを待つ。
でもどこも手を挙げてくれる球団や企業がなければ、引退するしかありません。
そこで最後のラストチャンスとして、選手側からアピールできる場を提供してくれるのが・・・
トライアウト なんですね。
要するにケガもなく、モチベーションもある選手が『 まだやれる!野球をやりたい!』という思いで望む最後のテスト。
『 起死回生の逆転一打 』を放てるか
野球人生の存続を賭けた土壇場の勝負に挑む のです。
しかしです、、僅かな望みに賭ける選手や家族の真摯な思いと裏腹に、近年のトライアウトの中身は形骸化していないだろうか? 疑問を感じるところです。
プロ野球トライアウト・・・その本当の意図と真実を探ってみたいと思います。
目次
トライアウト・ 参加資格と内容とは
毎年、全6球団で沢山の戦力外通告を受けた選手がいます。
2019年では戦力外通告者102人、そのうち43人がトライアウトを受けています。
参加資格
- 日本プロ野球に所属したことのある選手。
- 現在、自由契約である選手 。
が対象となります。ですので一般やアマチュア球界からの参加はできません。
例えば『 現在独立リーグに所属しているが、かつてプロ野球球団に所属していた。』という場合はOKです。
そこには年齢や過去の成績など関係なく、かって1億円プレーヤーだった選手や一軍で出場実績がない選手まで入り身だっています。
そして、トライアウトに参加できるのは2回までです。
テストの内容
全て試合形式で行われます。
- ピッチャーは打者3人と対戦。( カウントは1-1から。)
- バッターは4打席( 状況により不確定 )
たったこれだけなんですね。しかも塁審もいなくて、キャッチャーなど守備も足りなければ急造で補うなど、とてもアバウトで公平とは言えません。
しかも何度かありましたが、雨天の場合は雨天練習場で行うなどして・・・ 誰が本当に獲得したい選手を室内練習で決めるのか。
そもそもそれだけのプレーを見て本当の選手の実力がわかるのだろうか?
そのプレーを見ただけで金銭が絡む契約を球団がするとは思えません。これから伸びしろのある若い選手になら可能性も感じるでしょうが、戦力外通告を受けた選手にですよ。
その辺をちょっと書いていきます。
トライアウト 意味ないのでは?
結論から申し上げますと… トライアウトを見て取る選手は、ほぼほぼ0に等しいと言えます。
『 でも毎年数名は受かっているではないか!』と言う人もいると思いますが、これは予めオファーのあった選手です。
某元プロ野球選手も言っていますが、『 獲得する選手は前もって決まっている。あれは出来レースだよ。』と。
ではそれ以外の戦力外選手たちは、なぜテストを受けるのか?
それは、プロ野球選手であった最後の区切りとしての引退試合だから。
ここに集まってくる選手の99.9%は引退試合などしてもらえないのですから、家族に最後のプロ野球選手であった勇士を見せてあげられる機会です。
なにより自分自身の執着を断ち切るためにも敢て出ていくのだと思います。
野球界は未来のない人には、強制的に引導を渡してくれますから、かえって踏ん切りがつけやすい一面もありますが、自分から好きな野球を辞めたいという選手は1人もいないはずです。
弱肉強食の世界ですから仕方ないのですが、次の世界に向けて一歩を踏み出していくしかありません。
そのトライアウトの現場には、競輪、一般企業など異業種からのスカウトもチラホラ見かけるようです。勿論、社会人野球や独立リーグからも来ていますから、じっくり考える余地はありますね。
トライアウト2020の注目は『 新庄剛志 』⁉
新庄剛志を覚えていますか?若い世代にはピンとこないかもしれませんが、私たち( 御年53歳 )世代には物凄くインパクトのある選手でした。
【 新庄氏の経歴 】
- 西日本短期大学附属高校から1989年・ドラフト5位で阪神タイガースに入団。
- ポジション: 外野手( センター )一時期、当時の野村監督に言われてピッチャーの練習もした。
- 阪神タイガース→ニューヨーク・メッツ→サンフランシスコ・ジャイアンツ→またニューヨーク・メッツ→日本ハムファイターズ
- 2006年現役引退。181㎝・76㎏ 右投右打
ずば抜けた身体能力と過激な発言で「 宇宙人 」と呼ばれた超個性的プレーヤーです。
その 新庄氏がトライアウトを受けて、14年ぶりの現役復帰を目指す と言うんですね!
これはビックリです。Σ(゚Д゚) ⁉
現在48歳でブランク14年ですよ! そりゃ話題性には事欠かないですけど・・・
お客さん呼べる力はありますからねー、、経験を活かしたコーチ兼任で面白いと思いますが。
https://t.co/G9XdTNGdt8
見たいわー
新庄さんの日本ハムユニ姿— RyohGa (@NvVLPOpUOh6f6uC) November 20, 2020
本人も『 99%無理。ブランクもあるしトレーニングもしてない。』と語った後で
『 夢はあるかい!1%でも可能性があれば必ずできる。今日からトレーニングを始めて、もう1回プロ野球選手になろうと思います。』と誓ったといいます。
私は、新庄氏の気概を応援したいと思います。
トライアウト 総評
ここまでの内容をまとめると
- トライアウトは戦力外通告を受けた選手の引退セレモニー。
- 再契約される選手は、あらかじめ決まっている。
- 新庄氏の挑戦は話題性?
私なりの考えを含めて書いてみましたが、野球を志す人間にとってプロ野球選手はヒーローです。
たとえ戦力外になって解雇されようとも、競争に勝ち抜き 選ばれしき存在として『 俺はプロ野球選手だった。』と胸を張っって言えること だと私は感じます。
若い頃に野球というスポーツで、ちょっとした旅に出たことなんですね。
遅かれ早かれ、年齢と共にいずれは維持できなくなるものですから・・・
2020トライアウトは、12/7に開催。
TBS『 戦力外通告 クビを宣言された男達 』は、12/29(火)11:10から放送予定です。
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