ピッチャーにとって速い球を投げれることは、バッターを打ち取る上で非常に有効な武器になりますよね。球威のある球を投げる為に必要な要素って何でしょう?
まず、正しくボールに力を加えられる合理的な投球動作( 自分に合った )を身につけることが必要です。
それと共により重要なことは、実際ボールに力を加えるのは筋力ですので、その 投球から生まれる力をより強い力に上げていくには、どうしてもフィジカル的な強さが必要になってきます。
ピッチャーに必要な強いフィジカル( 身体的能力 )を保ち筋力強化するためには、どのようなトレーニングをしていけばよいのか。
今回は、投球に際して土台となる下半身強化に焦点を当てて、実際にプロ野球で取り入れられている下半身トレーニングなども参考にしながら、球速アップにつながる正しいエクササイズをピックアップして取り上げてみたいと思います。
目次
ピッチングで必要な下半身の筋力
球速を上げていくためには、投球動作で必要な筋肉をよりパワーとスピードがあるものにしていかなければなりません。
ピッチングでの下半身の使い方は、まず前足を上げてバックスイングでの軸足に捻りを加え、後ろ腰に力を蓄えますね。その蓄えた力をフォワードスイングでは前足を軸足として前腰に体重移動させ捻り戻します。簡単に言うと片足1本で捻りを加えて、片足1本で捻り戻す動作です。
その時、大事なポイントは捻った力をリレースする直前(前足が着地するとき)の一瞬の『溜め』です。この『 溜め 』がないと体の開きが早くなって球威が落ちてしまいます。溜めをつくった後、一気にリレースしてこそ瞬発力が生まれ、爆発的な力をボールに伝えることができるんですね。
こういった一連の投球動作で、足腰の粘りを生み出すのに必要な筋肉は主に3ヶ所です。
- 大殿筋( おしりの筋肉 )
- ハムストリング( 太ももの裏筋 )ないし内転筋
これらの大きな筋肉群を鍛えていくのですが、注意しなければならないことは、ピッチング動作に有効な筋力強化をしなければならないというところです。
まず筋肉組織というのは、大きく分けて速筋繊維と遅筋繊維の2種類あります。速筋繊維は瞬発力系( 無酸素運動 )、遅筋繊維は持久力系( 有酸素運動 )の時に有効に働く筋肉組織です。
ピッチングで必要とされる筋肉エネルギーは、瞬時に爆発的なパワーを必要としますので主に瞬発力系、速筋の強さを要します。
速筋力を強化するポイントは、短い時間で自分の持っている最大限の力を使って運動することです。
ですので下半身鍛錬の基本である ” 走る ” ことに関しても、長い距離を休まずに走るよりは短い距離( 10m~30m )を繰り返し全力でダッシュする方が瞬発力をつけるには有効です。
そして更に瞬発力を向上させるトレーニングが・・・
プライオメトリック トレーニング
プライオメトリックとは、筋肉の伸張反射( 伸長した後に収縮する性質 )を利用して筋力の強化を図るトレーニングのことです。要はジャンプトレーニングですね。
反動を使わずに着地した瞬間に連続したジャンプを行い、瞬間的に筋肉が最大の力を発揮する能力を上げるエクササイズです。
私自身もジャンプトレーニングを実践していく中で、足腰が安定して投球スイングのスピードが増していく実感がありました。エクササイズのメニューは、150km/hを目指して励んでいる山本氏の動画がベストだと思いますのでピックアップしておきます。
瞬発力系とバランスも養えて凄くいいトレーニングですねー。
片足でのバランス感覚を必要とする投球動作では、片足ケンケン跳びなどとても効果がありますね。
ピッチャーのフィジカルトレーニング
ピッチングでの初期動作である下半身からのエネルギーを、最終的に腕のしなりから指先に最大限の力でボールをスナップするために、片足での強靭な捻りのパワーを安定させ、踏ん張りがきくような脚力を強化させるエクササイズを厳選してみます。
ブルガリアンスクワット
片足を後方の椅子またはバランスボールの上に乗せて、もう一方の片足だけでスクワットをすることで、より強烈な負荷をかけることができます。
こんな感じです。片足ジャンプすると尚強烈です。
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主に大殿筋、ハムストリングが鍛えられます。バックスイングとフォワードスイング時の体重をかけた時に耐えうる筋力がつきます。土台が安定してくるでしょう。
10回を3セットはやりたいです。
太もも内転筋を鍛える
内転筋は主に体重移動の際に必要な筋力です。
ピッチャーのフォームで1番難しい『 開き 』を極限まで抑えるために、特に後方軸足を強靭に鍛えておきましょう!
ソフトバンクホークス→ジャイアンツで活躍した左腕・杉内俊哉氏( 現ジャイアンツ1軍トレーナー )が指導するエクササイズ動画です。
投球動作での体重移動では、極端に言うとカニ歩きのような感じで開きを抑えてステップしていきますので、それに耐え得る脚の内転筋の強さが必要です。
これ実際にやってみますと、内転筋もさることながら大殿筋( 特に横側 )がつりそうになるくらい効きますよ!(>_<)
そしてもう1つ名門・日体大野球部のトレーニングです。 👇👇👇
投げる動作に直結したトレーニングは、バランス感覚も鍛えられて実践的です。いかに軸足の強さが大事かがわかります。また、バランスボールやチューブを使うと、より太ももの内転筋に効きますね。
ピッチャーの下半身トレーニング まとめ
いかがだったでしょうか?
これは私自身があらゆるトレーニングを取り入れてみて実際、球速アップに効果があったエクササイズを厳選してみました。
やはり、人それぞれ体付きが違うようにトレーニングのやり方も個々、合う合わないがあるかもしれませんが、ピッチングを力強いものにしていくためには、下半身との連動が不可欠です。
杉内トレーナーも言っていた通り『 いくら上半身が強くても、強靭な下半身の力でリードしていかなければ、本当の球威のある球は投げれないし、長丁場は持ちません。』
実際の投球動作に見合ったトレーニングを取り入れていくことで、実戦で自分のイメージ通りに体を動かすことができていくのだと感じます。
ピッチングに対して必要な筋力を全体的に鍛えていけるエクササイズを、是非参考にしてみて下さい。
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