ピッチングでの投球スイングが『 上手く回らない… 』とか
『 ギクシャクして重たい感じがする… 』といった感覚はないでしょうか?
こういった原因は、ほとんど肩甲骨の動きに問題があります。球速を上げていくためには、肩甲骨を大きく回して投球腕スイングをスムーズに加速していかなければなりません。
また柔軟に肩を回してスイングしていないと、肩関節に負担がかかり故障の原因にもなってしまいます。
そこで今回は、肩甲骨周りの筋肉を柔軟にさせるストレッチ や 可動域を広げるために肩甲骨を自在に動かせるようになる立甲トレーニング をピックアップしていきます。
目次
ピッチングでの肩甲骨の重要性
ピッチャーにとって肩甲骨の固さは致命的です。
肩甲骨が固く力が入ってしまうと、バックスイングで大きく肩周りを回せないばかりか、体重移動の際に体幹と一緒にフォワードスイングに移行してしまい、レートローリング( 肩→肘→手 と腕をムチのようにしならせる )ことが難しくなり、ボールを最後まで残してリリースできません。
肩甲骨の役割は、腕を上げたり下げたりする時や腕を回す運動に連動して自在に動いていくことなので、その可動域の広さや使い方は、ピッチングの動作に連動する重要な部分です。
まず、肩甲骨の構造というのは鎖骨と上腕骨と繋がっていて浮いた状態になっています。その周りをいくつかの筋肉で支えているんですね。その中でカギとなる筋肉が・・・
肩甲骨の裏側と肋骨を繋ぐ『 前鋸筋 』という筋肉です。
ここの筋肉が凝り固まっていると、肩甲骨が肋骨にこびりついた状態になって柔軟に動かすことができなくなってしまいますので、まず支えている筋肉をゆるめて正常に機能させなければいけません。
前鋸筋の部分を図解で確認してみましょう!
理学療法士の友達に前鋸筋ってどこと聞いたらこれが送られてきてわろた pic.twitter.com/MuOD8eE2S5
— ゆー (@__Yhj) November 5, 2016
確かにこの部分が固いと肩甲骨の動きに支障をきたしますね。いち早く肋骨から剝がしてやらなければなりません。
『 前鋸筋 』の柔軟性は、肩甲骨の運動性向上に影響を与えるのは間違いないです。下半身から体幹(広背筋など)に連動してきた力を腕(インナーマッスル・上腕三頭筋など)につなげるための重要な筋肉だといえるでしょう。
『 前鋸筋 』ストレッチの動画をアップしておきます。
肩甲骨周りの筋肉をほぐしたら、いよいよ肩甲骨を自在に動かすトレーニングをやっていきましょう!
肩甲骨を動かす立甲トレーニング
腕の動きを生み出す役割である肩甲骨の動きは、主に6つの方向に動きます。
- 背骨の方向に寄せる動き・・・『 内転 』
- 外側に離れる動き・・・『 外転 』
- 上に上げる動き・・・『 挙上 』
- 下に下げる動き・・・『 下制 』
- 腕を上げる動作で内回りに回転する・・・『 上方回旋 』
- 腕を下げる動作で外回りに回転する・・・『 下方回旋 』
これらの動きに対して可動域を広げて、柔軟に動かせるようトレーニングしていきます。
体幹部に張り付いて硬くなった肩甲骨を剝がしていくのに効果的なのが『 立甲トレーニング 』です。
立甲とは、肩甲骨が肋骨から分離して自在に動くようになっている状態のことです。立甲ができるようになると肩甲骨があらゆる角度に動くため、繋がっている上腕骨の向きと肩甲骨を一直線上に保つことができるようになります。
この状態を『 甲腕一致 』と言いますが、肩甲骨の柔軟性によりこの体勢ができると腕全体に力をスムーズに伝えることができます。また、身体に軸ができ、下半身→体幹( インナーマッスル )からの力を連動して使えるようになってきます。
体幹・背筋力強化はコチラを参照↓↓
そして最大のメリットは、肩周りに複雑に繋がっている筋肉群にかかる負担を軽減させることができるので、故障のリスクが減ることです。肩甲骨が硬く動かないと、あらゆる方向に動かす上腕骨との関節部分に摩擦が起こってしまいますよね。
基本的なやり方は、まず四つん這いになって、脇を締める→肘の前側を前方向け→肩甲骨を「グイッ」と上げるような感じですかね。実際にやっている所を見た方が分かりやすいと思いますので、理学療法士の荻原氏の動画をアップしておきます。
最初のうちは上手くできないかもしれませんが、継続してトレーニングしていくうちに肩甲骨が浮き出てきますよ!そうしましたら立甲した状態で前後左右に動かしてほぐしていけばバッチリです。👌
まとめ
ピッチングのように腕を大きく動かしていく動作では、腕の動きに肩甲骨がしっかりとついていくということが重要なんですね。
投げる動作というのは身体を捻る動作が多いので、背骨や肋骨としっかり分離して肩甲骨が動くことがポイントとなってきます。
立甲をどのようにピッチング( 投げる動作 )に活かしていくかが大切です。自分でコントロールできる範囲をいかに広げていくか…
例えば、『 肩を回す 』といった場合に腕だけを回すのではなく、肩甲骨だけを回す( 腕を脇につけて腕を少し前に出した状態で肩を前後に回す。)ことで、上腕骨が肩甲骨に付いている肩鎖関節( 肩甲骨の外側 )をほぐすことができる。
筋力に頼らずに、いかに脱力してまわせるか。骨と関節に意識を向けましょう!ということです。
肩甲骨を動かす立甲トレーニングは、間違いなく肩関節の故障を減らし、無駄のないパワーを腕につなげていけるエクササイズだと感じます。
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