あなたは今まで、スポーツの試合で、ビジネスのプレゼンで 恋愛のここ一番で… 自分の力を出し切れず悔しい思いをした ことはありませんか?
それは、周りの状況にのまれていた、緊張していたなど 精神的なことが大半のウエートを占めていたのではないでしょうか?
普段の調子が出ていたなら、そんなことはなかったはずです。
そこに集中できていたなら…
人間の能力を最大に引き出す 極限的集中状態
「 ゾーン 」の 領域に入れば自分の思うようなパフォーマンスを実現できる ようになります。
未知の領域… 「 ゾーン 」その秘訣に迫ってみたいと思います。
目次
「 ゾーン 」のメカニズムとは?
今までに何かに夢中になって、時のたつのも忘れていたという経験 は誰しもしたことがあると思います。
例えば、子供の頃 遊びに夢中になって気が付いたら日が暮れていた、 興味のある本を あっ という間に読み切ってしまった。など
何かに没頭しているときは、時間の感覚を忘れ、外部からの情報に邪魔されることなく本能的な部分でやっていたのではないでしょうか。
このような時は、気持ちが内部に向けられ、身体感覚に集中している為、瞬間的、直感的に的確な行動や考えができるようになります。
この意識状態になると、感覚が研ぎ澄まされ 自分の持っている能力を 最大限に引き出してくれます。
気持ちと体が一体化し、自然に体が動けるようになるので 最高のパフォーマンスを発揮できるということです。
ポイントは、自分の内側に向けられた脳機能にあります。
やらされている感ではなく、自分から率先してやっている 状態ですね。
この時の脳の状態を見てみると、ある脳内物質が関わっていることが わかっています。
それは、「 痛み 」を「 快楽 」に変える神経伝達物質、 快楽ホルモンとよばれる
「 ℬ-エンドルフィン 」です。
この脳内ホルモンが放出されると、集中力が増し、ワクワクする気分 になり、凄い恍惚感に包まれてきます。
では、普段どんな時に ℬ-エンドルフィンは出るのでしょうか?
「 ゾーン 」はどんな時にやってくるのか
マラソンのランナーズハイなどは良い例でしょう。
究極の苦しさを迎えた時に、それを助けるホルモンが出るようになっているんですね。
戦場の兵士が戦闘の際 気がついたら腕がもげていたなど、物凄い恐怖の中での出来事で痛みを感じなかったという話しは聞いたことがあります。
なんせこのホルモンは、モルヒネの6.5倍もの鎮痛作用があるそうなので 納得です。
色々な例を見ると、ある1つの共通する部分があります。
それは、極限的なプレシャーやストレスを味わった後に「 ゾーン 」が訪れる可能性が高いということです。
私も高校時代の野球の試合で1度体験したことがあります。
もう35年も前のことなのですが、甲子園を賭けた夏の県大会準決勝で 2-2で迎えた9回裏二死満塁のピンチ。
当時2年生ながらセカンドを守っていた私は もうプレッシャービンビン、凄まじい緊張感の中にいました。
それはそうです、もし自分の所へ打球が来てエラーしたらサヨナラ負けになるなですから…
「 ここで もしエラーしたら もう学校には行けないぞ… 」
「 今まで こんなにに苦しい練習をしてきたのだから、絶対に取れる! 」と色んな思いが交差しながら、声を張り上げ気合いを入れていました。
幸い?打球はレフトフライに終わり難を逃れたのですが…
次の延長10回、先頭バッターだった私はある種、開放感の中、集中して バッターボックスに立ちました。相手ピッチャーは大会屈指の速球派左腕で、凄まじいボールを放っていました。
その初球、インコースのストレート。今まで手も足も出なかった球でした。が
何故か体が勝手に動いたんです。
全く力も入っていませんでした、誰かに遠隔操作されているような感じです。
ふっわっと、手ごたえも何もありません。
しかし打球だけは弾丸ライナーでレフトのポール脇50センチ横を通り過ぎて いきました。特大ファールでしたが、あの感覚が今だに忘れられないんですね。
すべてがゆっくりと感じられて全神経が集中されていたような気がします。
今思うと、まさしく「 ゾーン 」に入っていた感じです。
今までそんな飛距離のある打球は打ったこともなかったので これで「 よし、打てるぞ!」と自信が湧き、その後、 センター前にクリーンヒットを放ち、後続も続きそれが決勝点になって決勝戦へ進むことができました。
このような体験も含めて、やはり究極なプレッシャーや苦しさの後 快楽ホルモン ℬ-エンドルフィンは出てくるということですね。
では、そのような外部的な要因からではなく、自分の内部的なところから意図的にℬ-エンドルフィンを出し「 ゾーン 」に入る方法は ないのでしょうか?
いくつかの方法を上げてみます。
「 ゾーン 」へ入る方法
まず、このような自分の内側からくる精神的な性質であるため 何を目標にするにしても、
まず逃げ道を断って自分を追い込む。
意欲を極限まで高めていくということです。
「 何が何でもやるぞ!」と自分に言い聞かせたら、その期限を設定していきます。
「 これを達成できなかったら、もう人間失格だ…」くらいの プレッシャーをかけていって下さい。
自分の集中は自分で作る!と決めたら、そのために影響のある ツールを最大限に活用していきます。
そのツールとは。
- 言葉
- 態度
- 表情
- 呼吸
① 言葉
言葉は気持ちと密接な関わりがあります。
感情のおもむくままに言葉を発しているとその状況に支配されていきます。
「 言葉を選ぶ 」 ということです。
いい言葉の選択を習慣化させていくと、気持ちも前向きになってきます。 外部の状況にとらわれない、良い心の状態を維持していくためには必須条件です。
② 態度
態度も心の状態に大きな影響を及ぼします。
怒った態度や落ち込んだ態度をとっても周りの状況は変わりません。
いやな出来事に、いちいち反応していたら集中状態など作り出せるはずがありません。
野球選手でも一流の選手ほど三振しても堂々と胸を張って引き上げてくるものです。
次に影響を残さないために切り替えているんですね。
肩を落としたり、ため息をついたりする態度は厳禁です。元気にいきましょう!
③ 表情
言葉や態度以上に心に影響を及ぼすのが 表情 です。
心に生じた感情を表しているのが表情ですので、状況に支配されることなく、自分の表情 作ってけるのは間違えなく心を快の状態に導いていきます。
よい表情は顔面筋肉が、脳に「 いい状態だ!」と働きかけるので これは楽しいことだと認識して没頭できるようになるのです。
有名な心理学者が「 悲しいから泣くのではない、泣くから悲しくなるのだ 」と言いましたが、ここでは「 楽しいから笑うのではない、笑うから楽しくなるのだ!」と同じですよね。
笑顔でいきましょう!
④ 呼吸
集中には呼吸が大事です。
人間は緊張状態になると、呼吸が浅くなり早くなります。
逆に呼吸を ゆっくり大きくするとリラックスしますよね。
リラックス状態になれば、過去の嫌な記憶も軽減してきます。
極度なストレス状態から一気にリラックスすると脳から 快楽ホルモンの数々が放出されるのが、脳科学の研究からわかっています。
酸素の供給量も増えて、脳の血流が良くなり右脳的な創造性も高まってきます。
鼻からゆっくり吸って口からその倍くらい吐いていきましょう。
おへその辺りに意識を集中させて、お腹を膨らませて吸ってへこませながら吐いて~とい
『 腹式呼吸 』を繰り返し行ってリラックス状態を作りましょう。
以上のようなツールを使って、神経を集中状態に近づけていきましょう。
このようなことは、自分自身でコントロールできることなので いきなりは無理でも徐々に習慣化していけば集中状態に近づけていける ようになっていけるでしょう。
とにかく、外部の状況や出来事、囚われている過去のデータなどを払拭し 自分の内側から湧き出るような集中力を生み出していくには、自分を追込み 意識して心を良い状態にもっていき、最後にリラックス状態になれば 脳内から快楽ホルモンがドバドバ出て、没頭できる状態になれるはずです。
まとめ
思考の選択には、「 現在 」「 過去 」「 未来 」と3つの選択肢が あります。
とかく人は「 過去 」と「 未来 」に執着しがちです。
「 なんであの時 こうしなかったんだろう…」
「 もしも こうなったらどうしよう…」など後悔や不安がよぎって しまうものです。
この過去に対する後悔や未来に対しての不安な感情はマイナスと なり、完璧に没頭している最高の状態に持っていくことに くぎを刺してしまいます。
そこで「 今に全力を傾ける 」と常に言葉で自分に投げかけて 脳みその中に形成していかなければいけません。
最後に松下幸之助扇のこの名言で締めくくろうと思います。
どんなに悔いても過去は変わらない。
どれほど心配したところで未来もどうなるものでもない。
いま、現在に最善を尽くすことである。
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