メジャーリーガーたちのバッティングは、パワフルで凄いですよねー!
その飛距離・打球の速さは、日本プロ野球と比べてケタ違いです。この圧倒的なパワーの差はどこが違うのでしょうか?ただ単に体格の大きさの違いだけでかたずけては進歩はありません。
自分の身体を使って最大限の力をバットに伝える運動パフォーマンスですから、外国人に向いていて日本人には向いていないということはありません。同じ人間のやることです。
そこで今回は、160km/hの球に負けないパワフルなスイングは、どのように生み出されているのか?
古くから継承されてきた日本の常識や規準から逸脱し、技術・動作の観点からメジャーの合理的な動作を解明していきます。
日米のバッティング動作での相違点は、大きく分けると3つのポイントがありますので、もっと飛距離を伸ばしたい、強い打球を打ちたい人にとっては必見です!
目次
構え方の違い
日本の野球界で昔からの構えは、自然体で立って傘を持つときのように脇を閉めてバットを前に出して構えるのが次の動作に移りやすいと言われます。
一方メジャーリーガーのほとんどのバッターは、後ろ肘を大きく開けて( フライングエルボー )包み込むようにバットを握って構えています。こんな感じです。
ベリンジャーが高打率を残してるのも後ろ足を内股にする事によって肩の入りすぎを防いでるからだろうな。
さらに内転の力を得やすいのかも。#お股本 #lad pic.twitter.com/n8xjt4iNYB— ファンブル (@fumble_yyd) May 4, 2019
構えは打つ前の準備段階ですので、よりインパクトしやすく力の入っていく体勢にしておくのがベストです。
テークバックに入るのに、後ろ軸足を斜め内側に閉じて腰に捻りを加え、後ろ肘は自由に動かせる( 手より先に肘を先行させレートヒッティングさせる )ために開けておくのが大変重要なポイントです。
握り方は、前腕はインパクトのときにアンコックしやすいように腕を内捻し、後ろ腕はコックしたまま力が入るように外捻して握っておきます。エンゼルスのスーパースター、アルバート・プホルス選手( 3000本安打、600本塁打更新中 )は、両手の拳が一直線に揃うように握っています。
腕の使い方
よく『 ボールは脇を閉めて上から最短距離で叩け!』と言います。よく聞くダウンスイング論ですが、考えてみると上からくる球に上から叩いたのではゴロにしかなりません。しかもアウトローのボールには余程前屈しなければバットが届かないではありませんか。
ここにもパワーを半減させる常識のウソが隠されてはいませんか?この最短距離で上からというのは、手から初動することを意味します。腕の力だけで、しかも点で捉える結果になりますからスイングスピードは上がりませんよね。
バットスピードを上げるためには、テークバックで貯めた力をフォワードスイングに移すとき、後ろ肘を手より先行させてバットを遅らせなければなりません。
そしてインパクトの瞬間では、前腕の甲が上、後ろ腕の甲は下向きになっている状態が最高です。
MBL史上最高のバッター、バリー・ボンズのインパクトを見て見ましょう。左下がボンズです。
凄い右腕の押しです。パワーを生むために、構えからインパクトまでの後ろ肘の使い方が違うんですね。
そして、そのパワーをより一層強力にしているのが・・・これです。
体重移動の違い
ここが最大の相違点なのですが、日本の野球界ではよく『 後ろ軸足に体重をタメて打て!』と言います。なのでフィニッシュすると前足が後ろに引けてしまっているのをよく見かけます。これは捻りの入っていない前腰が振られたバットで振り回された結果です。
インパクトでバットに最大の力を加えるには、腰の捻りで得られた運動量を手や腕の振りに移してバットに伝えなければなりません。
メジャーのバッターは、体重を前足に移して、前肩・前腰・前足を一直線にして壁を作ります。前足をフォワードスイングの軸としてテイクバックで貯めた力を捻り戻しているのです。
ここで構えから後ろ肘を上手く使って前足に体重移動していく。一連の動作をボンズの動画で見て見ましょう。
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これぞメジャーっていう感じですね!この動き参考にしたいものです。
メジャー流バッティング理論 まとめ
こうして見ていくと日本の野球界で言われている常識とは、だいぶ動作の違いがあることがわかります。またフォーム重視が先行して選手を型にはめ込む傾向があるように思います。
近年、日本選手の体格も引けをとらないくらい大きくなり、技術的な情報も頻繫にはいってきますからメジャーリーグでも日本選手の活躍も見受けられるようになりました。
世界最高峰のメジャーリーガーたちに追いつき追い越すためにも、野球で必要とする力( パワー )は、運動力学的にどのような動作から生まれるのかを追及していきたいと思います。
その最大のお手本となるメジャー選手たちの実際のプレーを参考にして、研究し自分流にアレンジしながら取り入れていくことが技術向上の第一歩だと感じます。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。
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