日米通算4367安打、3604試合出場、MLBシーズン最多262安打のとてつもない世界記録保持者である天才バッターイチロー選手。広角に打ち分けるバッティングと俊足を活かした守備、強肩レーザービームと世界を圧巻させたプレーの数々は記憶に新しいところです。
45歳で引退するまで28シーズンという長きにわたる現役生活の中で、あの衰えのないパフォーマンスと肉体を維持し続けた背景には・・・イチロー選手ならではの卓越したトレーニング理論と特殊な筋トレ方法があったのです。
そこで今回は、華麗でスピーディーなプレーの基盤となった『 イチロー流トレーニング 』について書いていきたいと思います。
目次
イチロー選手のトレーニング理論
その人の持っている考え方や理論というのは、影響を受けた人の教えや今まで培ってきた経験などから生まれてくるものです。
イチロー選手の場合、特にバッティング理論に関しては普通の人では理解し難い感覚という印象がありますが、そのプレーに直結するトレーニングにも独特な理論があります。
その根本的なトレーニング理論がわかる稲葉氏とのインタビュー動画がありますので見て見ましょう。
トレーニング方法については賛否両論はあるでしょうが、イチロー選手のトレーニングについての考え方が凝縮されています。ここでまとめてみましょう。
- ウエイトトレーニングはしない。( 入団6~7年目まではやっていたが、スイングスピードが落ちた。)
- 硬い筋肉よりも 柔らかい筋肉 を作ることが目的
- 筋肉の大きさよりも 柔軟性・バランス を重視する
- 人体を理解しながらトレーニングしていく ことで、ケガ防止のセンサーになる
部分的な筋力アップよりも、全体的なバランスを考えて柔軟性を保った鍛え方をしていく。
肥大した筋肉は、野球の動作ではかえってジャマになる。やはり野球で必要とされるパワーというのは、体のキレ。関節の可動域を拡大させ、捻りを加えた力であることが実践で使えるパワーなのだと。。
それを可能にするために大切なことが、その人の持っているバランスを崩さないことなんですね。
野球で必要なパワーとは、どんな動作によって生み出されるのか、どのような筋力の強さなのかを考慮した上でイチロー選手が18年間続けてきたトレーニングがあります。それが・・・
初動負荷トレーニング とよばれるトレーニング方法です。
初動負荷トレーニングとは
何やら難しい理論のような感じがしますが、、
要するに人間は動きは初めに大きな力を必要とするため、終始筋肉に負担をかけて疲労を起こすより、人間に備わっている バランス感覚を活性化させるための動作 を取り入れたトレーニングの方が実践的なんですね。
あくまでも軽い負荷で繰り返し行なうことによって、脳神経と筋肉の協調性を高めて血流を活発にさせ機能向上を図っていく のです。
このやり方を初めて見た時は、あきらかに『 従来の直線的な動きに負荷をかけて鍛えるウエイトトレーニングとは根本的に違うなぁ 』という感じを受けました。
『 関節の可動域を目一杯動かせて、そこに捻りを加えた動きが多い。』という印象です。
実際にイチロー選手がやっている映像がこちらです。↓ ↓ ↓
咄嗟の変化に対応できる反射神経の速さは、リラックスした状態から最大の力を出すことで可能になります。という意味では「 脳機能の先行指令 」を促すことにも有効性があります。
こういった動作を繰り返すことで、酸素供給量が増えるのが分かっています。それは疲労回復にも繋がり筋肉の柔らかさを保つので動きも良くなるのです。
イチロー選手のしなやかなプレーは、初動負荷マシンによるトレーニングから生み出されていたんですね。
しかし、ここで1つ難点があります。
それは、こんな最先端のマシンは特殊なジムにしか置いてありません。自分で買うといっても如何にも高そうではないですか!置き場所にも困るし・・・我々一般人には無理かな?と思ってしまいます。
が、この原理さえ利用すれば自宅で簡単にできる方法もあるんです!
自宅でできる初動負荷トレーニング
器具を使わずに初動負荷トレーニングを行うやり方です。
ここの所を理論と一緒に上手く説明している動画がありますので参考にしてみましょう。
こちらは各部分で色々なやり方を説明してくれていますよ。👇👇👇
ある程度のパワーをつけるために極端な負荷をかけてやらなければ、ウエイトトレーニングも取り入れてもいいと思います。ただ柔軟性とバランスを保つために初動負荷トレーニングも並行してやっていくのがベストなのではないでしょうか。
イチロー流トレーニング理論 まとめ
アスリートにとって筋力出力とバランスは、いかに重要なポイントかがイチロー選手の理論を聞いているとわかります。パワーが全てを凌駕するという目に見える部分しか考えないのは盲点があります。
何を重要視していくかで、そのやり方が決まってきます。イチロー選手のスタイルで大切なのは、自分のバランスを崩さないこと、スピード、タイミングといったことでしょうか。
色々な失敗を経て無駄なことが削られていった結果、辿り着いたのが初動負荷トレーニングだったんですね。
この功績は大きく、中日の山本投手や岩瀬投手といった長く現役で活躍した選手が取り入れていたというのも、その効果が実証されている事実です。
この最先端のトレーニング方法を取り入れていくことは、パフォーマンスの向上にとって有効な選択だと感じます。
コメント